広島、長崎とも、都市の約500m上空で核爆発を受けた。両市とも半径2キロメータ圏内は爆風と熱線で壊滅した。爆心付近では核分裂連鎖反応から発生した、高エネルギーのガンマ線と中性子が、その直下にいた住民の放射線被曝の原因となった。
広島原爆・リトルボーイはウラン235が使用された。その後の原爆開発には分離処理の容易なプルトニウムが利用されている。このリトルボーイは1954年8月6日午前8時15分、原爆ドームに近い島病院の上空580メータで爆発した。その威力は、TNT火薬換算で15キロトンだった。
爆発で空中に発生した火の玉は、その瞬間に最高摂氏数100万度に達した。その熱量は平方センチメータあたり、地上爆心地域で100カロリー、3.5キロメータ地点で1.8カロリーと推定されている。これにより露出していた皮膚の熱線熱傷は3.5キロメータ地点にまで及んだ。こうして爆心から1.2キロメータ以内で無遮へいの人達は致命的熱傷を受けた。