コラム核エネルギー
国家の運営の基礎は、科学第一。それを軽視すれば、国は滅びる。国家の長期エネルギーの根幹に関わる組織は、原子力委員会同様に、内閣府に存在するのが妥当ではないのか。環境省原子力規制委員会の稚速な結論は、国の結論ではないことを、私たちは、まず理解すべき。またもや、「活断層」調査で、混乱が生じている。
初出:2012年12月21日
コラム放射線
福島第一原子力発電所の津波と核事故が昨年3月に発生して以来、筆者は放射線防護学の専門科学者として、どこの組織とも独立した形で現地に赴き、自由に放射線衛生調査をしてまいりました。最初に、最も危惧された短期核ハザード(危険要因)としての放射性ヨウ素の甲状腺線量について、4月に浪江町からの避難者40人をはじめ、二本松市、飯舘村の住民を検査しました。その66人の結果、8ミリシーベルト以下の低線量を確認したのです。これは、チェルノブイリ事故の最大甲状腺線量50シーベルトのおよそ1千分の1です。
(初出:2012年10月1日 Global Energy Policy Research 掲載)
コラム放射線
3月11日の大津波により冷却機能を喪失し核燃料が一部溶解した福島第一原子力発電所事故は、格納容器の外部での水素爆発により、主として放射性の気体を放出し、福島県と近隣を汚染させた。
しかし、この核事象の災害レベルは、当初より、核反応が暴走したチェルノブイリ事故と比べて小さな規模であることが、次の三つの事実から明らかであった。 1)巨大地震S波が到達する前にP波検知で核分裂連鎖反応を全停止させていた、 2)運転員らに急性放射線障害による死亡者がいない、 3)軽水炉のため黒鉛火災による汚染拡大は無かった。チェルノブイリでは、原子炉全体が崩壊し、高熱で、周囲のコンクリ―ト、ウラン燃料、鋼鉄の融け混ざった塊となってしまった。これが原子炉の“メルトダウン”である。
(初出:2012年2月20日 Global Energy Policy Research 掲載)
コラム放射線
アパグループ第4回「真の近現代史観」懸賞論文受賞者発表 最優秀藤誠志賞
菅直人が核の”危険”で火を焚き、左翼リベラルと日和見の学者が手伝い、一部だが多くのメデイアが炎上させ、心理的な火あぶり状態となった福島県と放射線集団ヒステリー日本。震災の五ヶ月後にも、福島のセシウムは広島核の百六十八倍と無意味な数字で、新聞は不安を煽ったが、昭和二十年にセシウムで死んだ人は一人もいない。三十年の長半減期の核種からの線量は無視出来るほど少ない。放射能は半減期に反比例するので、秒、分の短い半減期の核からの放射線が危険だったのだ。こうした核爆発災害のイロハも知らない原子力安全・保安院の話を鵜呑みにするようでは、新聞のレベルが低いと言わざるを得ない。
(初出:2012年10月1日 アパグループ第4回「真の近現代史観」懸賞論文受賞者発表 掲載)