大国同士が核兵器を打ち合う人類最終戦争は、この65年間避けられている。しかも、1次2次と続いた世界大戦は、これまで、3次の大戦を生み出していない。これは、核兵器保有国同士が相互に、その戦闘使用を避けてきたことが大きな原因と考えられる。
しかし、核兵器国が、非保有国と戦争状態になった場合には、核兵器使用の抑止力はないはずだ。その例が米国からの日本への核攻撃の事例だ。さらに、2001年9月11日の米国中枢へのテロ攻撃以来、非国家組織からの国家への核兵器テロの可能性を除外できない。この種の脅威は、わが国へも向けられている。これが、今の日本の置かれている状態である。
東アジアの安全保障は、軍事力拡大で留まるところを知らない共産党独裁国家中国と、同じく戦時体制下の北朝鮮により極めて不安定である。前者の国境での紛争や、南シナ海、東シナ海での覇権主義、そして後者の拉致事件にみられるテロ工作など未解決事案に、その脅威が見える。
中国は総威力270メガトンの核ミサイルを配備し、北朝鮮も核武装のための実験を進めている。中国海軍は、米国にも達する大陸間弾道ミサイルの実戦配備を背景に、東シナ海、南海の日中境界線を突破し、太平洋支配を狙っている。東シナ海の海底ガス田の強硬開発や、平成22年9月の日本領海である尖閣諸島で多数の漁船侵入事件に、そうした中国政府の狙いが実際に表れている。
中国の核武装に対して、米国の核の傘の効果は大幅に低下していると考えられている。核武装国家に囲まれた日本は、 最悪の事態を想定せざるをえない。仮に100年に一度の頻度であっても、国家に壊滅的被害を与える事態だからである。 こうした論議が日本国内にはほとんど見られませんが、貴方はどう思いますか。
核攻撃事態 | 予想される核弾頭の威力 | 日本への物理的及び 経済損失の規模 |
---|---|---|
東京に核兵器テロ | 超小型核 | 甚大 |
北朝鮮による東京への核攻撃 | 小型核 | 甚大 |
米軍による北朝鮮地下核施設への核攻撃 | 中型核 | |
米軍による北朝鮮への核攻撃 | 小型、中型核 | |
中国による台湾への核攻撃 | 小型、中型核 | |
中国による日本地方への核攻撃 | 小型、中型核 | 甚大 |
中国による東京への核威嚇 | 小型核を都下に撃つ | 甚大 |
中国による東京への核攻撃 | 大型核を都心に撃つ | 壊滅的 |
中米全面核戦争 | 大型核兵器を相互に撃ちあう。 日本も中国の標的となる |
壊滅的 |
超小型核:1キロトン程度、小型核:20キロトン程度
中型核:100キロトン程度、大型核:メガトン級程度
中国の日本への核恫喝として、太平洋に小型核を撃つ事態が予想される。
これら核戦争の発生確率は筆者には分からないが、発生した場合の被害は予測できる。
大陸東海岸での大型核兵器の使用は、日本へ核の灰による放射線影響が発生する。
都市の破壊と広範囲な核放射線被害の質と量は、NEDIPSとRAPSで理論的に予測できる。
中国からのメガトン級の核攻撃事態は、実験の検証が参考となる。
中国の日本への核攻撃事態に対し、同盟国である米国は中国へ核報復をしないと予想される。
なぜなら、米国の核報復は米中全面核戦争に火をつけることになるからである。
この核戦争に米国は勝利するが、米国本土は甚大な被害を被る。
日本政府は被害予測をするべきである。
注: 核戦争とは核兵器を用いた戦争。核武装していない日本は核武装国家から一方的に核攻撃を受けるか、威嚇により降伏することになる。