2008.4.9より
核エネルギー資源の積極的な利用は、日本の技術力で実現の一歩手前まできている。日本社会としては、安全性の科学の普及や、それを実現する社会機構を作り上げることが、重要である。軽水炉に続き、国策として建造された、プルトニウムを燃焼させながら、燃料を製造できる高速増殖炉もんじゅの耐震性能に言及する。
電気出力が28万キロワットであるもんじゅは高速増殖炉の原型炉として、1994年に建造された。同規模の施設としては、フランスのフェニックスが25万キロワットで運転中である。もんじゅは1995の試運転中に、冷却二次系の配管に取り付けられた温度計の不具合からナトリウムが漏れ出す故障が生じた。読者のみなさんには記憶があることでしょう。
ただし、この故障は、施設内も含め、事業所の外におよぶ核放射線災害にはなっていない。放射線環境影響の筆者の評価としては、リスクのないレベルFである。新規技術の開発には、不具合の発見と改良は、しばしあることである。しかし、核技術に関する出来事は、例え小さなことでも、日本では大きな社会現象になってしまう。実際、ナトリウム漏れに端を発し、日本の先端技術は10年以上も停止状態になってしまった。
技術立国日本の再生!
日本のエネルギー創生の鍵を握る高速増殖炉核燃料サイクル
もんじゅで期待される高速炉開発や安全に関する科学的検証
2008年3月26日事象の「もんじゅ」のナトリウム漏洩検出器施工不良の対処は、技術問題として淡々と実行すれば良い。それ以上でも、それ以下でもない。技術開発に対する過剰なブレーキは、よくない。報道は冷静に。中越沖地震時の報道の反省もあるはず。
08.04.08JT
新技術技術開発の歴史は、不具合の発見と対処・改良・発明の繰り返しである。だから、失敗は発明の母と言われる。その繰り返し周期が短いほど、優秀な技術陣となる。「もんじゅ」の場合は、10年以上も技術開発が、停止させられていた。このあたりを、みなさんに、考えてほしい。 技術の世界の常識は日本の報道記者と役人たちの常識になっていない。
08.04.11 JT
あっぱれ敦賀本部、迅速対処。3.26事象の検知器不具合に関するもんじゅ総点検計画、通報遅れの原因分析と対策(危機管理専門職の設置など)を発表。080414 ただし、危機管理の重要性から危機管理部ないし危機対策室を設置してはどうか。政府をはじめ日本の弱点は危機管理にある。これでは、優秀な日本の技術が、活かされない。今回、機構は人事処分を早くも行ったが、このスピードは日本一ではないか。現場の痛みが伝わる。
08.04.16 JT