18世紀からの産業革命で始まった化石燃料大量消費は、人類生き残りの大問題である。石油などのエネルギー資源や地下資源などの争奪は国家間の紛争の火種であり、太平洋戦争の勃発には、米国の日本への石油禁輸政策があった。現在も、中東からの石油タンカーなどを狙うテロ行為、ロシアのヨーロッパへの石油パイプラインの経由地の問題、中国共産党による東シナ海での日本を無視した形での強硬なガス田開発問題などがある。領土問題と密接な地下資源問題は、人類にとって未解決な問題である。
人類のエネルギー問題の打開策は、核エネルギーである。これに間違いない。ただし、今のウラン235を利用する技術ではない。それは、ウラン元素中に、わずか0.7パーセントしか含まれていないため、そのエネルギーに依存していれば、化石燃料と同様に、いずれ枯渇してしまう。21世紀以後の核エネルギー技術は、これまで邪魔者扱いされていたウラン238を利用する。これは、ウラン元素中に、99.3パーセント含まれるので、これを利用する技術と、核燃料廃棄物を安全に処分する技術・社会機構を完成させれば、人類は、エネルギー問題から、数千年間、解放されるのである。これは21世紀の日本ならば出来る技術である。
核エネルギー技術は、産業革命以来の化石燃料技術の代わりになることができるのか?この質問の答えは、「はい」である。その課題は、高速増殖炉技術の開発と、高レベル放射性廃棄物の処分法を含む燃料のリサイクルシステムの開発にある。この実現以外に核エネルギー技術の未来はない。