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甲状腺がん発症リスク「ほぼゼロ」 Radiation Protection Information Center

教育医事新聞 2014.3.25

福島の事故はチェルノブイリの事故とは全く性質が異なるという。チェルノブイリでは原子炉に格納容器が設置されておらず、複数の要因によって黒鉛炉内の核分裂反応が暴走。原子炉から10日間にわたって放射性物質が大量に放出された。消火に当たった消防士や原子炉の運転員ら30人が致死線量に当たる1~14シーベルトの線量を受けて急性放射線障害になり、28人が死亡した。
これに対し福島は急性放射線障害になった者は皆無だった。水素爆発が起こったのは核分裂連鎖反応停止24時間以後だったので、その間、短い半減期の放射能は消滅。原子炉周辺でさえ、放射線強度はチェルノブイリより圧倒的に低く、運転員らの急性放射線障害はなかった。
チェルノブイリでは事故後3年くらいから子どもの甲状腺がんが増え始め、10年後にピークとなった。その原因として、放射性ヨウ素に汚染された牛乳を飲んだこと、屋内退避措置が取られなかったこと、ヨウ素剤配布が行われなかったことなどが考えられる。一方福島では、牛乳の出荷停止措置が取られ、住民の退避行動も迅速に行われた。
高田 純 2014 3月 電話取材

文献 高田純著 「世界の放射線被曝地調査」講談社ブルーバックス 2002. 「福島 嘘と真実」 医療科学社 2011. 「21世紀 人類は核を制す」2013.
 

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