化石燃料の火を制御し発展した産業革命の文明は、人口爆発の中、異常気象をもたらすだけでなく、燃料自体の枯渇の中、21世紀に限界に達する。この時に、核燃料の時代に上手に乗り移らなくては、人類文明は滅ぶ。
核放射線の科学は、物理学のレントゲン博士のX線の発見、ベクレル教授によるウラン鉱石のエネルギー放射、マリー・ピエールキュリー夫妻によるラジウムの放射能の発見によるノーベル物理学賞から始まった。そして、医学利用の成功に続きエネルギー利用も、そして情報通信技術開発にも欠かせない基盤技術となっている。
核放射線の影に関する防護学を長らく研究してき私が、福島事象で混乱した国内を鎮静化すべく、生命論、文明論、防護論を提示する。
最近10年間に発表し筆者の論文と共著者による論文を収録。第一章 21世紀 人口爆発する文明の危機と核エネルギー、第二章 核放射線と健康、第三章核防護と抑止力。