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北朝鮮 またもや偽装核爆発か 2013.02.12Radiation Protection Information Center

爆発威力は1キロトン未満 日本への放射線影響なし

 本日(2013年2月12日)、気象庁の発表によれば、北緯41・2度、東経129・3度の北朝鮮北東部で、マグニチュード5程度の人工地震があったもよう。震源の深さは0kmとみられ、震源は海上ではないとみられる。
 他方、CNNが報じた米地質調査所(USGS)の観測では、地震はM4.9で地下1kmである。
 これらの地震を地下爆発によるものとして、威力を計算すると、次の値が推定される。

   北朝鮮の三回目の爆発威力 0.34~0.96キロトン

 核弾頭の爆発実験とすれば、極めて小規模であり、失敗したと考えられる。過去の北朝鮮の爆発でも、同様な小規模な地下爆発1キロトン以下である。
 爆発地点付近の上空で採取した空気から、顕著な量の放射性希ガスが検出されれば、小規模地下核爆発と判断される。しかし、過去の実験では、そうした放射性ガスは検出されていない。
 北朝鮮は、これまで、核弾頭開発に成功していないと見る。今回の爆発威力も、兵器としての威力は極めて小さい。それは、仮に成功していたとしても、核兵器テロレベルである。
 今回も、放射性希ガスが検出されなければ、偽装核爆発実験とみられる。成功した核爆発ならば、その爆発も映像を、北朝鮮は発表するはずである。過去一度も、そうした映像を発表したことはない。
 なお、日本への放射線影響は、線量レベルF(0.001ミリシーベルト以下)で、健康被害は全く心配ない範囲である。

 防衛省、北朝鮮核実験「放射性物質の検出なし」 空自は核実験以降、大気中に飛び散った可能性がある放射性物質を集めるため、日本海沖や太平洋沖にT4練習機を飛ばしている。これまでに延べ19回、飛行した。核爆発の証拠となる放射性物質は検出されていない。やはり、失敗か偽装爆発か。


 高田純 理学博士 2013年2月12日 16:00 2月19日更新
        著作権 高田純 放射線防護情報センター

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